先日、「さびの真実」をテーマにしたNHKの番組を見ました。
難しい専門用語は一切使わない、一般の方にも大変分かりやすい説明で、
私にとっても今後の講師活動に大変参考になりました。
NHKさん、ありがとうございました。
番組の要約は以下の通りです。
そのほか、ステンレス鋼の「もらいさび」もコンテンツに挙げられていました。
よく見る「もらいさび」として、台所シンクに缶詰の空き缶を置いたところ、
シンクの缶底との接触部分で、輪っか状にさびてしまうことが挙げられます。
しかもわりと短時間で発生してしまうのが特徴です。
これはシンクが錆びたのではなく、缶(炭素鋼製という前提)のさびがシンクに移る
ことから、シンク(ステンレス鋼)の目線で「もらいさび」と呼ばれています。
また、短時間で発生する原因としては、「異種金属接触腐食」が影響しています。
炭素鋼とステンレス鋼では、腐食電位、つまり「腐食のしやすさ」が異なります。
両者を接触させることで、電位の高いステンレス鋼から、電位の低い炭素鋼に向けて
電流が流れ、炭素鋼の腐食が加速します。その結果、短時間で炭素鋼(缶)に大量の
さびが発生してしまうことになります。
プラント設備においても、この「異種金属接触腐食」はしばしば予期せぬ早期の
腐食問題を引き起こします。
腐食環境にある設備で、複数の材料を使用して設計したり、保全の段階で一部を別の
材料にグレードアップして交換する際など、材料の組み合わせに十分な注意を払う
必要があります。