実用化されている、設備の主な状態監視診断技術として以下が挙げられます。
・振動モニタリング
・サーモグラフィー
・オイル分析
・腐食モニタリング
・超音波診断
・モーター電流解析
いずれも、設備の状態を適切に評価・判断して、適切な保全時期を見極めるために有効な技術ですので、今後ますますこれらの技術や市場は伸長すると考えられます。
しかし一方で、これら状態監視診断に基づく保全、いわゆるCBM(Condition Based Maintenance)
にはいくつかのハードルがあります。
①導入&運用コスト
測定・計測装置の購入,レンタル又は外注費などの予算確保が必要になります。
(特にカスタムメイドになると高額)
②診断スキル
診断人材の育成又は確保が必要になります。
③保全の意思決定データ不足
診断機器導入により、測定値の変化によって設備状態が見えるようになります。
しかし、測定する目的はあくまで分解点検や補修などの保全アクションを実行することです。
そのため「しきい値」を設定しなければなりませんが、新技術であったり、導入初期段階においては
測定データ量が十分でないため、しきい値設定が難しいケースがあります。
その場合、暫定的なしきい値を設定すると共に、検証を繰り返して精度を高めていく必要があると
考えます。
いずれも企業にとって頭の痛い問題ですが、致命的な事故を未然防止するためCBMは有効な保全手法ですので、状態監視診断技術は今後ますます発展すると思われます。