回転機における振動診断(状態監視)の意義

一般的な回転機の状態監視診断として、定期的に振動を測定し、その値を評価する方法があります。
その目的は?と問われると「故障防止」ということになりますが、では「故障」とは具体的に
どういう損傷モードをさすのでしょうか?

答えの一つは「疲労破壊」です。

疲労破壊は、材料に応力が繰り返し発生することで割れを生じ、最終的に軸の破断やベアリングの表層剥離(フレーキング)などに至る現象です。
多くの場合、応力の繰り返しは外力の繰り返しによってもたらされます。
回転機の場合、アンバランス、ミスアライメントといった構造的異常が外力の要因となり得ます。
これらの異常は振動診断により評価可能な現象です。

つまり、構造的異常有無を定期的にチェックすることで、回転機部品の疲労破壊防止を図ることが、振動診断(状態監視)の意義の一つと考えられます。

ちなみに、回転機の異常は、構造的異常のほか、共振系異常、非線形異常、自励系異常、摩耗系異常に分類されます。これは別の機会に記事にしてみます。

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