FAC(流れ加速型腐食)

2004年の美浜原発3号機復水配管破裂など、過去に国内外プラントで大規模な水系配管の破損事故が発生しており、配管減肉はプラント保守において重要な管理項目となっています。美浜原発の事象は、FAC (Flow Accelerated Corrosion)によるものと結論付けられています。

FACは「表面上の酸化物皮膜が流れの作用により、溶解または除去されることで発生する腐食」と定義されています。通常の腐食は、酸化物皮膜が保護層となるため、時間と共に減肉速度が減少しますが、FACは流速や乱流エネルギーといった流体力学因子により皮膜が剥離し、金属表面が露出することで金属溶解が時間に比例して進行します。

過去の事故を契機に、国内外の研究機関からFACの予測モデルが開発され、配管の余寿命予測や保守検査に適用されています。

詳細は割愛しますが、代表的なモデルは以下の通りです。
・WATHEC(ドイツ)
・BRT-CICERO(フランス)
・CHECWORKS(アメリカ)
・DRAWTHREE-FAC(日本:エネルギー総合工学研究所)
・FALSET(日本:電力中央研究所)

配管減肉のトラブルシューティングに関するご相談は、是非弊所にお願いします。

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