リスクベースメンテナンスの概念

API RP 581(アメリカ石油学会リスクベース検査基準)など各国の業界団体の標準において、リスクベースメンテナンス(RBM)は以下2つの考え方に基づいています。

①リスクの定義
 破損事象の発生確率 × 破損発生後の影響度

②パレートの法則
例えばプラント全体のリスクを100、設備数を100とした場合、そのプラントのリスクの80%は20設備が負っている(つまり80点主義)。

これらの考え方に基づいて、特に破損発生後の影響度が高い設備を抽出して、その設備の破損を抑えるメンテナンス活動をすることで、効率的(経済的)且つ、効果的にプラント全体のリスクを低減せしめることができる、というのがRBMの主旨です。

例えば、可燃性物質,毒性物質などを扱う高圧容器や配管は、破損した際に火災・爆発や健康被害などに及ぶ可能性が高くなり、「破損時の影響度が高い」設備に位置付けられます。

次にこれらの設備の破損モードを検討調査します。過去の履歴やこれから起こるかも知れない想定事象を含めて、網羅的に抽出することが重要です。特に金属の腐食や疲労のメカニズムに関する知識が必要なケースが多くなります。

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