回転機械の振動による状態監視の落とし穴②

落とし穴その②は、測定周波数範囲について。

振動ピックアップにはオンライン用、オフライン用(ポータブル振動計)など、多様な種類が商品化されています。当然のことながら、それぞれ特徴があり、特性も異なりますので、選定にあたっては測定目的や対象物を明確にしなければなりません。

送風機やポンプといった汎用回転機から発せられる振動の周波数は、健全状態にある場合は、回転周波数成分(回転数1,800rpmの場合、30Hz)及び、転がり軸受部品の固有振動数(数kHz)が主体となります。従いまして、測定周波数範囲は10~10kHzの振動ピックアップを適用すれば、状態監視用として有効に機能すると考えられます。

振動計で定期的に測定しており、測定値に変化なく異常が認められなかったにもかかわらず、故障により突発停止に至るケースがあります。その場合はもしかすると、測定周波数範囲が不適正(上限周波数が低すぎる)なため、例えば軸受が発する高周波域の振動が検出できていなかったのかも知れません。

今一度、振動計の仕様書により測定周波数範囲を確認してみてください。

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