【回転機械の振動による状態監視の落とし穴④】

今回は、前回に引き続き、測定パラメータである変位、速度、加速度の使い分けについてのお話です。

正弦波振動において、変位振幅D、角周波数ω (rad/s)、時間t (s)とした場合、変位は以下の式で表されます。

d=D・sin(ωt)

上式より、ωt=1(90°)のときの変位が振幅になります。
一方、一般に振動計で出力される変位は「振幅」です。従って振幅以外は興味がありませんから(笑)、以下、d=Dとして扱います(両振幅の場合は2D)。

では振動の速度vはというと、「単位時間あたりdがどれだけ変化したか?」ですので、dを時間で微分した関係になります。

v = dd/dt = ωD・sin(ωt) =ωD = 2πf・D

同様に、加速度は速度を時間で微分したもので、

a = dv/dt = (2πf)^2・D

で表されます。

変位、速度、加速度を周波数軸で表すと図のようになります。
これら各パラメータの大きさの関係に着目すると、低周波数域では変位、1kHzあたりまでは速度、それ以上では加速度が3つの中で最大値を示すことが分かります。

つまり振動を感度よく測定するには、最も大きく出力されるパラメータを使うのが効果的であり、振動周波数に応じてこれらを使い分けることが、設備の状態を上手に監視するポイントになります。

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