【回転機械の振動による状態監視の落とし穴⑤】

前々回2/12の投稿で「故障のしやすさを評価するには、変位ではなく速度で評価すべし」との主旨でお伝えしましたが、一方でポンプメーカーから提出される性能試験成績書の中には、特に古い設備においては、「変位」で評価されている場合があります。

そのため、設備管理の段階においても変位で評価される場合があるように見受けられます。新設時との比較という点では理にかなっている面はありますが、長期間の使用に伴う ”疲労に起因する故障のしやすさ” を監視・評価するという目的に対しては、前述の通り「速度」に着目すべきと考えます。

ちなみに、JIS B 8307~8309:2009 遠心ポンプの技術仕様 において、性能試験での振動は「最大許容振動シビアリティ」、つまり速度で評価判定するよう規定されています。本JIS附属書E(添付図)によって変位を速度に換算できますが、1つ注意点があります。

本図は、単一の振動周波数に対する適用でして、実際のポンプ使用時にはアンバランスやミスアライメントなど、複数の振動周波数成分が含まれますので、実用面では注意が必要です。

今回は以上です。

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