高圧ガス保安協会の統計によると、高圧ガス製造事業所の災害原因の約20%は腐食管理不良で全体のトップを占め、近年その傾向に変化はありません。やはり腐食対策は設備管理上の最重要課題の一つと言えます。
普通鋼の場合、放っておけばやがて錆びて酸化鉄になります。最終的には強度が低下したり破孔することで、強度部材や耐圧部材としてとして使い物にならなくなってしまいます。これは自然の摂理です。なぜならば、元の自然の姿である鉄鉱石は酸化鉄だからです。
従いまして、普通鋼において長期に渡り安全に使用するには、ある程度お金をかける必要があります。その主な活動は以下の2つです。
①検査;
腐食箇所、範囲、減肉深さ(残肉厚)を把握し、余寿命を評価します。それに基づいて適切な次回検査、補修又は更新の時期を設定します。
②防食措置;
塗装、表面処理、防錆剤、電気防食といった防食措置を施すことで、ライフサイクルコストの最適化を図りたいところです。またその活動に際して私たち日本の技術者は「モッタイナイ精神」を発揮して、大切な地球資源を使って作られている設備の寿命をできる限り延ばして、持続可能な社会を目指す意識も必要と思います。