前回の記事でお話しました通り、普通鋼は朽ちていく宿命にあります。従って維持管理のためのコストが発生します。
ここでは、下記①+②を「腐食コスト」と定義します。
①腐食対策に投じられた設備投資額:
耐食材料、塗料、表面処理、防錆剤、防錆油、電気防食など
の生産費と施工費
②設備修繕費
2015年に腐食防食協会が調査した国内の年間腐食コストは、何と6.6兆円!国民総所得(GNI)の1.27%、2023年度の日本の防衛費に相当します。国民一人当たり約5,500億円が毎年、腐食の対応に投じられているのです。
【引用】わが国における腐食コスト/腐食コスト調査委員会、材料と環境(2020)
6.6兆円のうち2.3兆円は設備修繕費です。
一方、近年の物価高騰により汎用耐食材料であるSUS304薄板の価格はコロナ禍前の約1.5倍になっています。
製造業である以上、際限なく修繕費を支出するわけにはいかず、出荷量に対し一定の割合で拠出するのが一般的な経営判断です。
必然的に、修繕範囲を厳選せざるを得ない状況になってきており、設備管理部門としては正しい腐食の知識に基づいた寿命評価や、リスクに基づいた修繕計画の策定と実行など、より高度な判断が求められます。
腐食管理技術に関するご相談は是非弊所まで!
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