前回例に挙げましたように、例えば回転機械の突発故障トラブルは、「軸受が破損した」などの故障物理現象と、「故障の検知ができなかった」という二つの要素が揃って発生します。
トラブルシューティング、つまり再発防止にあたっては、これらの要素それぞれについて深堀りすることで判明した根本原因に対して対策を講じます。
原因究明には、思考を「漏れなく」「ダブりなく」網羅的に行うMECE(ミーシー)の概念を意識しつつ、なぜ?を繰り返して根本原因にたどりつくまで論理展開していきます。先述の「軸受が破損した」「故障の検知ができなかった」はMECEに基づいて、一次要因展開したものです。以下、二次要因についても同様に2つ以上の要因に展開していきます。
「軸受が破損した」の二次要因の例:
1) 回転体のアンバランス振動が過大であった
2) 過大な振動を是正せず長期間使用した
一般的に四次くらいまで展開すれば根本原因にたどり着くとされていますので、頑張ってなぜ?を繰り返して掘り下げていきます。
繰り返しになりますが、要因展開の目的は根本原因に対して対策を講じることですので、思考の「幅」と「深さ」両方を意識して展開することがカギとなります。