前回では腐食は「電気化学反応」であり、電流を伴うことをお伝えしました。電流が流れるということは、電極が存在します。つまり+(プラス)極とー(マイナス)極があるわけです。腐食発生中は、乾電池みたいにわかりやすくプラスマイナスの表示があるわけではありませんが、確実に存在しています。
電気化学の世界では+極をカソード、-極をアノードと呼び、それぞれで発生する反応をカソード反応、アノード反応と称します。
設備材料として最もポピュラーな鉄(Fe)が水で腐食する場合の両反応式は、以下のようになります。
カソード反応 1/2O2+H2O+2e-→2(OH)-
アノード反応 Fe→Fe+2e-
FeはFeイオンとして水中に溶け出し、酸素と水と鉄から放出された電子によって、水酸化物イオンが形成されます。
ここでのポイントは、腐食はアノード反応とカソード反応のペアでもって成立するものです。つまり鉄が溶ける(腐食する)ために必要な物質は、酸素と水だということです。言い換えるとこれらか、腐食の駆動力となっているわけですね。
続きはまた次回!