【腐食の対応における設備技術者の腕の見せ所】

炭素鋼において不働態皮膜(保護性のある鉄酸化物皮膜)が安定的に存在していれば耐食的であり、減肉速度は抑制されますが、約pH3以下の酸環境においては不働態皮膜が生成しないため、全面腐食を呈します。

一方、中性からアルカリ環境においては不働態皮膜が生成するpH条件ですが、但し塩化物イオンなどが存在すると皮膜は不安定となり、しばしば孔食などの局部腐食を発生させてしまいます。

全面腐食は場所を問わず減肉速度が均一なので、定点の肉厚測定による設備管理が可能ですが、局部腐食はそうはいかず難敵です。従って、想定外の腐食トラブルのほとんどは局部腐食です。

腐食対応における設備技術者の腕の見せ所の一つは、局部腐食の発生場所を予測する感性を発揮することだと思います。

【参考文献】 鉄の孔食における塩化物イオンの役割https://www.jstage.jst.go.jp/article/jinstmet1952/50/11/50_11_1009/_pdf/-char/ja?fbclid=IwY2xjawFct91leHRuA2FlbQIxMQABHXCgP2vBSAup_SsLJ5Hl9oemRwvsikDw80-01gtZiz2e-3exc6W-HV2RUg_aem_uikYhxCjXmC1cgXHInD4_Q

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