【なぜ塩化物は不働態皮膜を局部破壊させるのか?】

12/19のセミナーで受講者の方から掲題の質問を頂きましたが、勉強不足のため答えられませんでした。
遅くなりましたが、この場を借りて回答させていただきます。

結論から申し上げますと未解明ですが、以下に示す3つのモデルが提案されていますので、それぞれ簡単に紹介させて頂きます。

①塩化物イオン(以下、Cl-)の吸着による皮膜溶解速度の増加
Cl-に代表される侵食性アニオンが不働態皮膜に吸着した際、不働態皮膜(クロム酸化物)を構成する酸素と置換。
それにより皮膜を形成するCr+とCl-が錯体を形成し、溶液中に移行。

②Cl-の浸透
Cl-が不働態皮膜中に浸透し、金属表面に達した際に局部腐食を発生させる

③Cl-吸着時の表面張力低下による破壊
アニオン吸着時の相互反発力により表面張力が低下することにより、不働態皮膜が局部的に割れる

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