ISO31000:2018「リスクマネジメント-指針」において、
リスクの定義は「目的に対する不確かさの影響」とされています。
これをプラント設備管理にあてはめてみると以下のように解釈できます。
まず、”目的”は”あるべき姿”と言い換えることができるでしょう。
プラント操業のあるべき姿とは、安全・安定運転の継続にほかなりません。
つまり、突発的なトラブルを起こさないことです。
では、”不確かさ”とは? 例えば、
・SUS304製の圧力容器が内部流体により腐食する
・バッチ運転の繰り返しにより熱疲労割れが発生する
などの劣化が発生する可能性が指摘されている場合、これらについて過去に検査が十分に行われて
いないため、
① どこで発生しているのか?
② 容器の強度がどの程度低下しているのか?
③ いつまで使えるのか?(強度基準を下回る、き裂貫通などに至るまでの期間)
といった「わからないことの度合」が「不確かさ」にあたります。
腐食や疲労などの劣化が顕在化し、これらが進展して「破裂」「爆発」「漏えい」などの故障に
至った場合、内部流体の状態(性状,圧力,温度など)次第で、工場周辺の安全・環境、工場に
勤務する従業員、経済的損失などへの影響が異なってきます。
これが「不確かさ」と「影響」との関係です。
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