全面腐食と局部腐食

腐食形態は全面腐食と局部腐食に大別されます。

全面腐食は、全面がほぼ均一に減肉する形態で、酸腐食や高温酸化がその代表です。時間的、場所的な加速性はあまりないので、比較的管理しやすい損傷形態と言えます。

局部腐食は、孔食、すき間腐食、保温下外面腐食(CUI)、エロージョン・コロージョン、応力腐食割れ、異種金属接触腐食、脱成分腐食などが該当します。設備トラブルに至る腐食の大半はこれらに起因します。設備の長期間の使用と共に、じわじわと進行する一方、局部且つ小面積ゆえに定期点検等での見落としがあると、ある日突然、内部流体漏れとして顕在化し、事故に至るケースもあります。

従って、局部腐食による事故・トラブル防止の鍵は、発生場所を如何に想定するか(想定できるか?)に掛かっていますが、「言うは易く行うは難し」でなかなか厄介な問題です。

あるトラブルを起点に、想定を見直して類似箇所を点検する、いわゆる水平展開は有効な活動ですが、後手と言わざるを得ません。設備の老朽化を背景とした、従来の点検プログラム(点検部位、範囲、方法、時期)の抜本的な見直しが必要かもしれません。

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