【回転機械の振動による状態監視の落とし穴③】

今回は、測定パラメータである変位、速度、加速度の使い分けについてです。

ポンプ、送風機などの回転機の状態監視によって、どんな物理現象を検知し監視したいのか?というと基本的には「疲労」なんです。
機器が過大な振動を繰り返すことで、軸の曲げ疲労や、ベアリングの転がり疲労(フレーキング)などの寿命が短くなります。その結果、突発(に見える)故障に至って慌てることとなります。

こういったシナリオを未然に防ぐためには「疲労」の度合いを測定する必要があります。この目的に適した測定パラメータはというと…

答えは「速度」です。

正弦波振動の片振幅:D,周波数:f とした場合、
振動速度V=2πf・D で表されます。

この式には「疲労」に必要なパラメータである
・発生応力(変位振幅”D”の大きさに依存)
・繰り返し数(周波数に依存)
に関する情報が含まれています。

例えば、同じ変位Dで周波数fが異なる振動として、図に示す①②の振動速度を比較した場合、②の速度は①の5倍で、疲労の観点からするとより厳しいと言えます。
つまり、速度ではなく変位のみを測定したのでは片手落ちとなり、疲労の度合いは評価できず、故障未然防止に対してはあまり効果的とは言えないと考えます。

今回は以上です。

回転機械の状態監視に関するご相談は是非弊所にお任せください。


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